好きなものいろいろ 　 トップページへ

少し昔、H2というひじょーに地味であんまり浮かばれなかったアニメがありました。
それは、あだち充(作家名等敬称略、以下同様)の典型の漫画の アニメ化だったのですが、 キャラクターの描写になにやら原作とは違った味があったのです。
どう言ったらいいか...
各人各様に悩みや挫折を乗り越えようとしつつも、 ふと立ち止まって、振り返ってみる、そんな、余裕ともちょっと違う 諦観とか、達観とかにちょっと近い、静かな心持ちが描かれてて。

...しかし、その静かさは、そっくりそのまま、分かりにくさと、爽快感のなさという 評価となり、未放映話を抱えたまま、途絶えてしまったのでした。あらら。

というわけで、そろそろ本題のコメットさんなわけですが、 そう、H2のシリーズ構成をしていた桶谷顕がシリーズ構成、各話シナリオを やっているわけです。
もう私は、これは桶谷氏のこのノリのリベンジだ！　 と勝手に決め込んでしまいました。
今、コメットさんには、いつでも立ち止まって、 どちらへ進むべきかを考える、そんな猶予が与えられています。
コメットさんはたまに、こまったさんなことになりつつ、 でもしかる後には、もっと確からしい道を見出します。 そして今日もゆっくり、ゆっくり、一歩ずつ歩みを進めるのです。
- 2001.06.19 -

やっぱすごい発明やね！　「あ、こまったさんだ！」　 「やっぱりこまったさん？」
今んとこ、この「こまったさん」って呼び名はネネちゃん、ツヨシくんの専売特許 ですね (コメットさんが「ほんとに困ったさんだ。」ってちょっと自嘲ぎみにもらしてた こともあったけど)。

これがあるから、しっとりと、なにげに重い話も、かぁ〜るく、かぁ〜るく、 心にすんなりと溶け込んでくれます。

「こまったさん」は、お話をただほのぼのと、そして豊かに展開させてくれる 甘いデザートなんです。

ツヨシくんが、うつくしい妖精をみつけて、思わず捕まえて、持ち帰ってしまう 話は、コメットさんにしては珍しく見てて、胸が苦しくなってしまう話でした。
あとで、ラバボーゆうかいじけんの話もあったりしましたが、 それよりも強い。

力を失う妖精を見て、そしていろいろ助けようと画策して、それでもだめなのを 見て、後悔の念を小さな胸いっぱいにするツヨシくん、 それに共鳴してしまうネネちゃん。

もう、どうしようも、ない。

最後に病院星で妖精は無事との連絡を受け、 喜ぶ二人を見て、とりあえずほっとしました。

しかしこれは、現実の世界ではけして助からない、という暗喩にも 思えるのであって。「わるいこと」をしてしまい、その結果としての 拭い去れない「後悔」をベールにくるんだまま、 それでもここにいる、われわれは、いつもの日常へと戻るしか ないのであった。　あった、あった。
- 2001.06.22 -